弁護士法人LEON
U&T vessel 法律事務所(現弁護士法人U&PARTNERS法律事務所)牛島郷介弁護士(東京弁護士会所属)及び、U&T vessel 法律事務所(現弁護士法人LEON 東京本社)田中圭祐弁護士(東京弁護士会所属)は、かつてブログで「強い女メーカー」の画像を複数転載して紹介しただけでブログ主に対し突然「損害賠償請求」として50万円の支払いを一方的に求めたことで、ネット上で批判が広がり、大きな炎上騒動となった弁護士となります。
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参考資料:U&T vessel 法律事務所 「強い女メーカー」の商用利用に関する当事務所の見解
《全 文》
【文献番号】25583092
損害賠償等請求事件
東京地方裁判所平成30年(ワ)第12429号
令和元年8月28日民事第50部判決
口頭弁論終結日 令和元年5月8日
判 決
原告 P1
被告 P2
同訴訟代理人弁護士 牛島郷介
主 文
1 被告は,原告に対し,55万円及びこれに対する平成30年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを6分し,その5を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
1 被告は,原告に対し,160万円及びこれに対する平成30年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告に対し,「https://<以下略>」に,別紙謝罪広告目録記載1の謝罪広告を同目録記載2の掲載条件で掲載せよ。
第2 事案の概要等
1 事案の概要
本件は,原告が,被告の運営するブログ等に投稿された記事等により名誉を毀損されたなどと主張して,被告に対し,不法行為に基づき,損害賠償金160万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成30年5月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,上記ブログへの謝罪広告の掲載を求める事案である。
2 前提事実(証拠を掲記しない事実は,当事者間に争いがないか,弁論の全趣旨から容易に認められる。)
(1)原告は,平成30年7月頃まで,資格試験予備校で講師をしていた者である。原告は,「△△△△△△△△△△」という題名のブログ(以下「原告ブログ1」という。)を運営しているほか,平成29年6月頃から,「P3」と称する人物(以下「P3」という。)に代わって,「▽▽▽▽▽▽」という題名のブログ(その後,題名を「◇◇◇◇◇◇◇◇」,に変更。以下「原告ブログ2」という。)を運営している。(甲39)
被告は,「□□□□□□□□□□」という題名(平成29年11月当時のもの。)のブログ(URL https://<以下略>。以下「被告ブログ」という。)を運営しており,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下「SNS」という。)のmixiに日記を投稿したり,第三者の運営するブログに読者の立場からコメントを投稿したりしている。
(2)被告は,平成29年10月8日から平成30年4月13日にかけて,別紙投稿記事目録のとおり,「投稿日時」欄記載の日時に,「URL」欄記載のURLにおいて,「表現」欄記載の表現を含む記事を投稿した(以下,個別の記事につき,同目録の「記事番号」欄記載の番号により「本件記事1」などといい,これらの記事を総称して「本件各記事」という。また,個別の表現につき,同目録の「表現番号」欄記載の番号により「表現1-1」などという。)(甲1~5)。
本件記事1及び2は,被告ブログに投稿されたものであり,本件記事3及び4(題名以外は同文)は,mixiに日記として投稿されたものであり,本件記事5及び6は,第三者が運営する「◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎」という題名のブログ上の「▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲」と題する平成29年10月4日付け記事へのコメントとして投稿されたものである。
本件記事1,3及び4には,インターネット上のニュースサイトであるさくらフィナンシャルニュースに掲載された「▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼」と題する平成●●年●●月●●日付け記事(以下「本件転載記事1」という。)が転載されており,本件記事2には,本件転載記事1を補足する内容の平成●●年●月●日付け記事(以下「本件転載記事2」という。)が転載されている。
(3)原告は,本件記事1及び3~6のほか,被告ブログに投稿された別の記事1件を対象として,コンテンツプロバイダである株式会社サイバーエージェント(以下「サイバーエージェント」という。),株式会社ミクシィ(以下「ミクシィ」という。)及びヤフー株式会社(以下「ヤフー」という。)に対し,発信者情報の仮の開示を求める仮処分を申し立て,平成29年11月27日,同年12月1日及び平成30年1月4日,それぞれ仮処分決定を得て,上記発信者情報の仮の開示を受けた(東京地方裁判所平成29年(ヨ)第3385号,第3386号,第3444号。甲8~10)。
その後,原告は,上記各記事を対象として,経由プロバイダであるソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」という。)に対し,発信者情報の開示を求める訴えを提起し,平成30年3月29日,本件記事1及び3~6を対象とする一部認容判決を得て,同年4月16日頃,被告の氏名及び住所の開示を受けた(東京地方裁判所平成30年(ワ)第2471号。甲6,7。以下,上記の発信者情報開示請求事件と各仮処分申立事件とを併せて「本件各関連事件」という。)。
3 争点及び争点に関する当事者の主張
(1)名誉毀損又は名誉感情侵害の成否(争点1)
ア 本件各記事の同定可能性
(原告の主張)
別紙投稿記事目録の「同定可能性に関する原告の主張」欄記載のとおり,本件各記事が原告を対象としたものであることは明らかである。
(被告の主張)
別紙投稿記事目録の「同定可能性に関する被告の反論」欄記載のとおり,本件各記事が原告を対象としたものであることが明らかとはいえない。
イ 本件各記事による社会的評価の低下又は名誉感情侵害の有無
(原告の主張)
別紙投稿記事目録の「名誉毀損又は名誉感情侵害についての原告の主張」欄記載のとおり,本件各記事は,原告の社会的評価を低下させ,又は名誉感情を侵害するものである。
(被告の主張)
本件各記事には,被告に対して嫌がらせをしている者の行動を批判し,否定的な感想を述べる表現が含まれているが,いずれも抽象的・主観的なものにとどまっており,一般の読者をして直ちに信用させる内容とはいえない。このような抽象的・主観的な表現があったとしても,一般の読者は,被告がその者に否定的な感想を持っていると感じるにすぎず,自ら否定的な印象を抱くわけではない。
しかも,原告は,原告ブログ1に度々被告に関する投稿をし,被告に対して原告への誹謗中傷行為を煽っていたのであるから,一般の読者は,本件各記事を見ても,原告の煽り行為に対する反応があったと考えるにすぎない。
したがって,本件各記事は,原告の社会的評価を低下させるものではない。
そのほか,本件各記事が,原告の社会的評価を低下させ,又は名誉感情を侵害するものではないことは,別紙投稿記事目録の「名誉毀損又は名誉感情侵害についての被告の反論」欄記載のとおりである。
(2)違法性阻却事由の有無(争点2)
ア いわゆる真実性の抗弁及び公正な論評の法理(以下「真実性の抗弁等」という。)
(被告の主張)
被告とP3との間では,平成29年5月頃,ブログの投稿記事等をめぐって紛争が生じたところ,原告は,同年6月以降,上記紛争に介入して,原告ブログ1に度々被告に関する投稿をし,被告に対して原告への誹謗中傷行為を煽っていた。また,被告は,同年11月頃,氏名不詳者から,日々嫌がらせを受けるようになった。
原告は,証券非行の被害者のためのボランティア活動をしていると自称しつつ,被告とP3との間の紛争にむやみに介入したのであるから,原告に関する論評は,公共の利害に関するものである。
また,本件各記事は,いずれも被告が実際に被った嫌がらせによる被害について記載したものであって,刑事上の犯罪行為に該当し得る事実に言及したものであるから,公共の利害に関し,公益を図る目的によるものである。
したがって,本件各記事の投稿については,違法性が阻却される。
(原告の主張)
原告は,芸能人等の有名人ではなく,原告に関する事項が一般的に公共の利害に関する事項に当たるということはできない。
また,本件各記事においては,原告を誹謗中傷する表現が用いられているから,その記載態様からして,公益を図る目的によるものとは到底いえない。
さらに,本件各記事において摘示された事実や論評の前提としている事実が真実であるということはできない。
イ 対抗言論の法理
(被告の主張)
(ア)自ら進んでインターネットで意見等を発信する者は,自分と意見が異なる者から批判を受けたとしても,公の言論の場において相手に反論し,自己の名誉回復を図るべきであって,批判自体を名誉毀損とみるべきではない。
原告は,原告ブログ1に本件訴訟の経緯に関する記事を投稿し,自由な言論を行っているほか,本件訴訟の経緯については5ちゃんねる等の電子掲示板で意見交換がされ,原告に迎合する意見が大多数となっているから,自由な言論により十分に名誉を回復している。
(イ)被害者が加害者に対して相当性を欠く発言をし,それに誘発される形で,加害者が被害者に対して問題となるような発言をした場合には,加害者の発言は,対抗言論として許される範囲内のものと認められる限り,違法性を欠く余地があるというべきである。
本件各記事の投稿は,原告の挑発や煽り行為に誘発されたものであり,被告の表現に多少行過ぎたところがあるとしても,被告に対して嫌がらせをする者に向けた言論は,対抗言論として許される範囲内のものといえるから,違法性がないというべきである。
(原告の主張)
(ア)本件各記事の閲覧者が原告ブログ1等も閲覧しているという関係にはなく,電子掲示板に書き込みを行った者は被告ブログ1の閲覧者のごく一部であるから,原告ブログ1等の記載により原告の名誉が回復したとは到底いえない。
(イ)原告は,被告に対する挑発や煽り行為をしていないし,仮に,煽り行為と評価される行為があったとしても,本件各記事における事実無根の事実の摘示が対抗言論として許される範囲内のものでないことは明らかである。
(3)原告の損害(争点3)
(原告の主張)
ア 調査費用 47万7024円
原告は,本件各関連事件を経て,被告の氏名及び住所を特定した。その調査に要した費用は,被告の不法行為による損害であり,内訳は,別紙調査費用目録記載のとおりである。
イ 慰謝料 112万2976円
本件各記事により,原告の社会的評価は著しく低下し,原告は精神的に大きく傷付けられたものであり,慰謝料の額は,112万2976円を下らない。
ウ 合計 160万0000円
(被告の主張)
争う。
原告は,当初から,発信者情報開示請求手続をとった上で,発信者である被告に損害賠償を請求することを企図して挑発行為を繰り返した可能性があるから,原告の行為に誘発された本件各記事に関する調査費用を原告に生じた損害として認めることはできない。
原告は,期日請書の提出や決定書の受領についても裁判所に出頭しているところ,いずれもFAXや郵送での対応が可能であるのに,より高額な交通費を請求しているから,当該交通費を損害として認めることはできない。
書面作成費用や裁判所出頭のために要した時給換算額は,当事者の能力や居住場所によって大きく左右され,金額の算定が困難であるから,損害として認めるべきではない。
仮に,本件各記事が原告の社会的評価を低下させたとしても,原告は自由な言論によって十分に名誉を回復しているから,精神的な損害も発生していない。
(4)過失相殺(争点4)
(被告の主張)
原告は,被告に対し,「私を誹謗中傷してくれないかなあ。」などと挑発的なコメントをしており,それが発端となって本件各記事が投稿されたのであるから,過失相殺をすべきである。
(原告の主張)
争う。
被告が指摘するコメントは,第三者に向けられたものであり,仮に,被告に向けられたものと解するとしても,直後に「スグに訴えるのに。」と記載しているのであるから,被告に対し,原告を誹謗中傷すれば訴訟を提起すると警告したものと解すべきである。
(5)謝罪広告の要否(争点5)
(原告の主張)
読者の中には,被告ブログのみを閲覧して原告に対する評価を低下させた者が多数いることが推測される。そのため,原告の社会的評価を回復させるためには,被告ブログに謝罪広告を掲載することが不可欠である。
(被告の主張)
争う。
第3 当裁判所の判断
1 争点1(名誉毀損又は名誉感情侵害の成否)について
(1)判断枠組み
名誉毀損の成否が問題となっている表現が,証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項を明示的又は黙示的に主張するものと理解されるときは,当該表現は,上記事項についての事実を摘示するものであり,そのような証拠等による証明になじまない物事の価値,善悪,優劣についての批評や論議などは,意見ないし論評の表明に属するというべきである(最高裁平成6年(オ)第978号同9年9月9日第三小法廷判決・民集51巻8号3804頁,最高裁平成15年(受)第1793号,第1794号同16年7月15日第一小法廷判決・民集58巻5号1615頁参照)。そして,そのいずれであるかは,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準として判断すべきものと解される(最高裁平成6年(オ)第1084号同10年1月30日第二小法廷判決・集民187号1頁参照)。
また,ある記事の意味内容が他人の社会的評価を低下させるものであるかどうかは,当該記事についての一般の読者の普通の注意と読み方とを基準として判断すべきものと解される(最高裁昭和29年(オ)第634号同31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁参照)。
以下,上記観点から,本件各記事における各表現が,原告の名誉を毀損し,又は名誉感情を侵害しているか否かについて,個別に検討する。
(2)本件記事1,3及び4
ア 同定可能性について
証拠(甲1,3,4)によれば,〔1〕本件記事1,3及び4の本文の冒頭部分には,「下記記事を読んでください。」との記載があり,これに続いて本件転載記事1が転載されていること,〔2〕本件転載記事1には,原告の氏名を明示した上で,原告が相談相手をした人物や別の投資家の誹謗中傷をしたとの記載があること,〔3〕本件記事1,3及び4の本文には,「この男はSNSやブログを利用して,ターゲットを誹謗中傷するのが特徴です。」との記載があることが認められる。
これらの事実によれば,本件記事1,3及び4において言及されている「この男」とは,原告を指すものと理解することができるから,本件記事1,3及び4は,いずれも全体として原告を対象としたものであると認めるのが相当である。
イ 社会的評価の低下又は名誉感情侵害の有無について
(ア)表現1-1
表現1-1は,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とした場合,原告について何らかの具体的事実を摘示しているとまでは認められない。
もっとも,表現1-1は,「殺人事件に酷似している」,「チンカス」などの記載を含んでおり,前者は,原告が殺人事件の犯人に似ているとの趣旨であり,後者は,原告を恥垢のように不潔なものになぞらえる趣旨であると解される。これらは,いずれも原告を侮辱する内容であって,表現も不穏当であるから,社会通念上許容される限度を超えて原告の名誉感情を侵害するというべきである。
(イ)表現1-2
証拠(甲1,3,4)によれば,〔1〕本件記事1,3及び4の本文の冒頭部分には,「下記記事を読んでください。社会通念上異常 前代未聞と書いてあります。」との記載があり,これに続いて本件転載記事1が転載されていること,〔2〕本件転載記事1には,原告が「社会通念上異常としか表現のしようのない行動を常習的に取るに至った」,「相談相手をした人物を誹謗中傷した」,「別の投資家を誹謗中傷するかのような書面を裁判所に提出するなどの,前代未聞の行為に及ぶなどしている」などの記載があること,〔3〕本件記事1,3及び4の本文には,「この男はSNSやブログを利用して,ターゲットを誹謗中傷するのが特徴です。」との記載があることが認められる。
これらの事実によれば,被告は,本件記事1,3及び4において,原告を批判する目的の下,本件転載記事1の内容を援用する趣旨で,これを転載したと認めるのが相当である。そうすると,表現1-2は,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告が相談相手をした人物を誹謗中傷したり,他の投資家を誹謗中傷する内容の書面を裁判所に提出したりしたなどの本件転載記事1に記載された事実を前提として,それらの行動が社会通念上異常であり,前代未聞であるとの意見又は論評を表明するものであるというべきである。
そして,表現1-2は,原告が相談相手をした人物を含む他者を誹謗中傷するなどの異常かつ前代未聞の行動をとっているとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(ウ)表現1-3
証拠(甲1,3,4)によれば,本件記事1,3及び4の本文には,「この男はSNSやブログを利用して,ターゲットを誹謗中傷するのが特徴です。株主優待や株主総会でアクセス数の多い人気ブロガーへコメントやメッセージを送り個人的なメール,ラインなどへ誘導しすっかり信用させ自分の目的に協力させる 自分が気に入らない企業への裁判協力や議決権の行使に関しての働きかけ,呼びかけ 個人的恨みをもつ人物への誹謗中傷協力」との記載があることが認められる。
この事実によれば,表現1-3は,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告が,SNSやブログを利用して,自らターゲットとなる人物や企業を誹謗中傷したり,個人的に恨みを持つ人物に対する誹謗中傷への協力を呼び掛けたりしているとの事実を摘示するものと認められるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(3)本件記事2
ア 同定可能性について
証拠(甲2)によれば,本件記事2には,〔1〕本文中に「P4」と原告の氏を一文字伏せ字にした記載があること,〔2〕「1人がやっている嫌がらせと断定せざる終えない感じです。」との記載があること,〔3〕「下記記事を拡散してください。」との記載に続いて,「個人投資家の皆さんに対するP1氏についてのご注意」として,原告の氏名が明示された本件転載記事1へのリンクが貼られていること,〔4〕原告の氏名が明示された本件転載記事2も転載されていることが認められる。
これらの事実によれば,本件記事2は,全体として原告を対象としたものであると認めるのが相当である。
イ 社会的評価の低下又は名誉感情侵害の有無について
(ア)表現2-1
表現2-1は、一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告が,被告やその家族に対し,SNS上で,根拠のないことについてまでも誹謗中傷しているとの事実を摘示するものと認められるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(イ)表現2-2,2-3及び2-5~2-7
表現2-2,2-3及び2-5~2-7は,いずれも,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告が,被告に対し,ヤフーオークション,インスタグラム,ブログ等において,又は非通知無言電話や裁判手続を利用して,種々の嫌がらせをしているとの事実を摘示するものと認められるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(ウ)表現2-4
表現2-4は,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,警察が被告の原告に対する告訴を受理したとの事実を摘示するものと認められる。告訴は,犯罪事実を申告し,犯人の処罰を求める意思表示であって,捜査の端緒となることからすれば,表現2-4は,原告が犯罪を行い,これにより刑事責任を問われる可能性があるとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(エ)表現2-8
証拠(甲2)によれば,表現2-8は,本件記事2中の本件転載記事1へのリンクの直後に記載されていることが認められるところ,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告が,本件転載記事1を書いたさくらフィナンシャルニュースの編集長に対して嫌がらせの目的で提訴しているとの事実を摘示するものと認められるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(オ)表現2-9及び2-10
証拠(甲2)によれば,本件記事2には,「集団での嫌がらせや株主総会でのストーカー盗撮の情報提供の見返りは,雑誌掲載紹介」,「株主総会に行くと盗撮,つきまとい行為もします。」との記載があることが認められる。
これらの事実によれば,表現2-9及び2-10は,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告が,被告を盗撮したり,被告のプライバシーに関する事項をSNSを用いて拡散したりしているとの事実を摘示するものと認められるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(カ)表現2-11
表現2-11は,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告が,裁判手続を利用して被告のみならず他の個人や企業を脅迫しているとの事実を前提として,そのような行為が間違っている,不動産鑑定士試験の講師としての知識を悪用しているといった意見又は論評を表明するものと認められ,原告が裁判手続を悪用し,被告その他の個人や企業を脅迫しているとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(キ)表現2-12~2-15
証拠(甲2)によれば,〔1〕本件記事2の本文の冒頭部分には,「リツイートで誹謗中傷に加担してる方々刑事訴追される覚悟はありますか?」との記載があること,〔2〕「下記記事を拡散してください。」との記載に続いて,本件転載記事1へのリンクが貼られ,本件転載記事2も転載されていること,〔3〕本件転載記事2には,原告に対して株式投資や関連裁判について相談したり守秘義務があると考えられることを口外したりしないことを推奨する,原告のインターネット上の投稿には名誉毀損や誹謗中傷に該当するとしかいえないようなものが含まれている,原告のインターネット上の投稿を拡散すると,その者にも民事上損害賠償責任が発生する可能性が高く,刑事上訴追される危険もあるなどの記載があることが認められる。
これらの事実によれば,被告は,原告を批判する目的の下,本件転載記事1及び2の内容を援用する趣旨で,本件転載記事1へのリンクを貼り,本件転載記事2を転載したと認めるのが相当である。そうすると,表現2-12~2-15は,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告がインターネット上で誹謗中傷や名誉毀損をしているとの事実を前提として,原告に対して相談をしないように推奨する,原告の投稿をリツイートしたりシェアしたりすると民事上又は刑事上の責任を問われるおそれがあるといった意見又は論評を表明するものであると認められるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(4)本件記事5
ア 同定可能性について
証拠(甲5)によれば,本件記事5には,「有名ブロガーだった優待婆にとりいって,優待婆がバカだからくるもの拒まずで利用されて自分の立場を失い大切にしていた▽▽▽▽▽▽という名前も失ったということですね。」,「ずっと大切に使ってきた自分で考えた▽▽▽▽▽▽というタイトルをこんな気持ち悪い奴に乗っ取られても平気なの?」,「要するに総会屋のP5の粘着質のキモサの問題ですね。」との記載があることが認められ,原告が運営するようになった原告ブログ2への言及や原告の氏名を一文字伏せ字にした記載があることからすると,本件記事5は,全体として原告を対象としたものであると認めるのが相当である。
イ 社会的評価の低下又は名誉感情侵害の有無について
(ア)表現5-1
証拠(甲5)によれば,本件記事5には,「株主総会で懇親会の料理目当てにスタンバっていたところを子連れのおばちゃんに因縁つけられて乞食と言われたのを根にもって噂を広めまくるもうまく拡散できず」との記載があることが認められる。
この事実によれば,表現5-1は,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告が株主総会後の懇親会の料理目当てに待機していたところ,子連れの女性から乞食と言われたことを根に持って,その女性の噂を広めようとしたとの事実を摘示するものであり,原告が侮辱的発言を受けたことの報復として,相手の悪い噂を広めようとしたとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(イ)表現5-2
表現5-2は,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告が,株主としての権利を濫用して会社から不正な利益を得ようとする,いわゆる総会屋であるとの事実を摘示するものと認められるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(ウ)表現5-3
証拠(甲5)によれば,本件記事5には,「要するに総会屋のP5の粘着質のキモサの問題ですね。」との記載があるところ,表現5-3は,「粘着質」,「キモサ」などと,性格がしつこく,気持ち悪いという趣旨の表現を用いて原告を揶揄,侮辱するものである上,原告が総会屋であるとの事実を摘示する表現5-2に続けて記載されていることを考慮すると,社会通念上許容される限度を超えて原告の名誉感情を侵害するというべきである。
(5)本件記事6
ア 同定可能性について
証拠(甲5)によれば,〔1〕本件記事6は,本件記事5の約2分後に投稿されたものであること,〔2〕本件記事5には,「有名ブロガーだった優待婆にとりいって,優待婆がバカだからくるもの拒まずで利用されて自分の立場を失い大切にしていた▽▽▽▽▽▽という名前も失ったということですね。」,「ずっと大切に使ってきた自分で考えた▽▽▽▽▽▽というタイトルをこんな気持ち悪い奴に乗っ取られても平気なの?」との記載があること,〔3〕本件記事6には,「あんな形で乗っ取られるのなら▽▽▽▽▽▽という言葉自体をなくしてほしい。あの男の記事や写真は▽▽▽▽▽▽という言葉にはそぐわない。」との記載があることが認められる。
そして,前記(4)で判示したとおり,本件記事5は,原告について,気持ち悪いという趣旨の表現等を用いて揶揄,侮辱する内容を含むものであって,全体として原告を対象としたものであるところ,本件記事5において▽▽▽▽▽▽という題名のブログ(原告ブログ2)を乗っ取ったとされる人物についても,「気持ち悪い奴」との表現が用いられていることから,原告を指すものと理解することができる。また,本件記事6は,本件記事5の約2分後に投稿されたものであり,その内容も本件記事5の延長線上にあるものと考えられるところ,本件記事6において原告ブログ2を乗っ取ったとされる人物についても,同様に原告を指すものと理解することができる。
したがって,本件記事6は,全体として原告を対象としたものであると認めるのが相当である。
イ 社会的評価の低下又は名誉感情侵害の有無について
本件記事6は,一般の読者の普通の注意と読み方とを基準とすれば,原告が原告ブログ2を乗っ取った,すなわち,従前原告ブログ2を運営していた者の意に反してこれを運営するに至ったとの事実を摘示するものと認められるから,原告の社会的評価を低下させるというべきである。
(6)被告の主張について
以上に対し,被告は,本件各記事には,被告に対して嫌がらせをしている者を批判し,否定的な感想を述べる表現が含まれているが,いずれも抽象的,主観的なものにとどまっており,原告の社会的評価を低下させるものではないなどと主張する。
しかし,本件各記事が,原告を対象として,原告が誹謗中傷や嫌がらせをしているなどの具体的な事実を摘示するものであることは,前記(2)~(5)で判示したとおりである。
また,被告は,原告が原告ブログ1上に度々被告に関する投稿をし,被告に対して原告への誹謗中傷行為を煽っていたのであるから,一般の読者は,本件各記事を見ても,原告の煽り行為に対する反応があったと考えるにすぎないなどと主張する。
しかし,本件各記事を閲覧する者が,原告ブログ1を閲覧するとは限らないし,証拠(乙1~6)から認められる原告ブログ1の記載内容をもってしても,原告が被告に対し誹謗中傷行為を煽っているとまで認めることは困難である。
したがって,被告の上記各主張をもってしても,本件各記事により原告の社会的評価が低下したとの前記判断を左右するには足りない。
2 争点2(違法性阻却事由の有無)について
(1)真実性の抗弁等
ア 事実を摘示することによる名誉毀損については,当該事実を摘示する行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあった場合において,摘示された事実の重要な部分が真実であることが証明されたときは,当該行為には違法性がなく,不法行為は成立しないものと解するのが相当であり,また,上記事実が真実であることが証明されなくても,その行為者において上記事実を真実と信ずるについて相当の理由があるときには,当該行為には故意又は過失がなく,不法行為は成立しないものと解される(最高裁昭和37年(オ)第815号同41年6月23日第一小法廷判決・民集20巻5号1118頁,最高裁昭和56年(オ)第25号同58年10月20日第一小法廷判決・集民140号177頁参照)。
また,ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉毀損については,その行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあった場合で,その前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったときには,人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り,違法性を欠くというべきである(最高裁昭和55年(オ)第1188号同62年4月24日第二小法廷判決・民集41巻3号490頁,最高裁昭和60年(オ)第1274号平成元年12月21日第一小法廷判決・民集43巻12号2252頁参照)。
イ 本件記事1,3及び4(表現1-2及び1-3)
被告は,本件記事1,3及び4について,ボランティア活動を謳っている原告に関する事項は公共の利害に関する事項に当たる,刑事上の犯罪行為に該当し得る事実に言及したものであるから,公共の利害に関し,公益を図る目的によるものであるなどと主張する。
しかし,本件記事1の題名には,「天涯孤独の一名議男の恨み」などと原告を揶揄するような表現が含まれている上,本件記事4の題名や本件記事1,3及び4の本文にも,「チンカス」などの侮辱的表現が含まれていることからすると,これらが専ら公益を図る目的により投稿されたものとは認め難い。
したがって,上記各記事の投稿について,真実性の抗弁等により違法性が阻却されるとはいえない。
ウ 本件記事2
被告は,本件記事2は被告が実際に被った嫌がらせによる被害について記載したものであって,刑法上の違法行為に該当し得る事実に言及するものであるから,公共の利害に関するものであり,公益を図る目的によるものであると主張する。
しかし,本件記事2は,「拡散協力求む!事件簿ふざけんな!」という攻撃的な題名となっていることからすると,専ら公益を図る目的で投稿されたものとは認め難い。
また,原告が被告に対して嫌がらせ,誹謗中傷又は名誉毀損をしていると認めるに足りる証拠もないから,本件記事2の摘示する事実や論評の前提としている事実が真実であるということもできない。
したがって,本件記事2の投稿について,真実性の抗弁等により違法性が阻却されるとはいえない。
エ 本件記事5及び6
被告は,本件記事5及び6は,実際に被った嫌がらせによる被害について記載したものであって,刑法上の違法行為に該当し得る事実に言及するものであるから,公共の利害に関するものであり,公益を図る目的によるものであると主張する。
しかし,本件記事5には,「粘着質のキモサの問題ですね」などと侮辱的な表現が含まれていることからすると,専ら公益を図る目的で投稿されたものとは認め難い。
また,前記1(4)及び(5)で判示したとおり,本件記事5及び6は,原告が株主総会後の懇親会で会った子連れの女性の噂を広めようとしたとの事実や従前原告ブログ2を運営していた者の意に反してこれを運営するに至ったとの事実を摘示するものであって,被告が嫌がらせを受けたことについて記載したものとはいえないから,被告の上記主張は,前提を欠くというべきである。
したがって,本件記事5及び6の投稿について,真実性の抗弁等により違法性が阻却されるとはいえない。
(2)対抗言論の法理
ア 被告は,原告が,原告ブログ1に本件訴訟の経緯に関する記事を投稿し,自由な言論を行っているほか,5ちゃんねる等の電子掲示板で本件訴訟の経緯について意見交換がされたことから,自由な言論により十分に名誉を回復していると主張する。
しかし,証拠(乙8,9)によれば,原告が原告ブログ1上に本件訴訟の経緯に関する記事を投稿したことや,インターネット上の電子掲示板に原告と被告との間の紛争に関する投稿がされていることが認められるものの,本件各記事を閲覧した者が必ずしも原告ブログ1や当該掲示板を閲覧するとは限らないばかりか,原告ブログ1や当該掲示板において,本件各記事により毀損された原告の名誉を回復するに足りる内容の記載がされ,対抗言論が奏功したとまで認めることもできない。
イ また,被告は,本件各記事の投稿は,原告の挑発や煽り行為に誘発されたものであって,被告に対して嫌がらせをしていた者に対抗する言論として,許される範囲内のものであると主張する。
しかし,前記1(6)で判示したとおり,原告ブログ1の記載内容をもってしても,原告が,被告に対し,挑発や煽り行為をしているとまで認めることは困難であるし,嫌がらせをしていたと認めるに足りる証拠もない。そして,「チンカス」などの種々の侮辱的表現を用いた本件各記事が,対抗言論として相当と認められる範囲内のものであるともいえない。
ウ したがって,被告の上記主張はいずれも採用することができず,本件各記事の投稿について,対抗言論の法理により違法性が阻却されるとはいえない。
3 争点3(原告の損害)について
(1)調査費用
ア 申立手数料等(別紙調査費用目録記載1~4)について
原告の主張する本件各関連事件の申立手数料,送達費用,当事者の旅費・日当,訴状等の書類の作成及び提出費用は,いずれも訴訟費用に含まれるものであって(民事訴訟費用等に関する法律2条1号,2号,4号,6号),専ら訴訟費用負担の裁判及び訴訟費用額確定処分に基づいて本件各関連事件の相手方に対して償還を求めるべきものである。したがって,本件訴訟において,これに相当する損害の賠償を求めることはできないというべきである。
イ 弁護士への相談費用(別紙調査費用目録記載5)について
原告は,本件各関連事件に共通する調査費用として10万8000円を要したと主張する。
証拠(甲24,25(それぞれ枝番を含む。以下同じ。),28)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,平成29年11月13日,ミクシィ及びサイバーエージェントに対する仮処分を申し立てた際,裁判所書記官から申立書の記載内容について指摘を受けたことから,翌14日,弁護士にアドバイスを求め,その料金として10万8000円を支払ったことが認められる。
発信者情報開示請求は,短期間のうちに段階的に手続を行う必要があり,専門的知見が要求されること,他方,弁護士への相談がミクシィ及びサイバーエージェントに対する仮処分の申立て後にされたものであること,原告が弁護士からアドバイスを受けた後に提出した書面の内容は,申立ての趣旨や目録等の形式的な訂正を中心としたものにとどまること(甲24,25),前記前提事実(3)のとおり,本件各関連事件は,本件訴訟の対象となっていない記事をも対象としたものであり,発信者情報開示請求訴訟において当該記事に関する請求が一部棄却されたことなどを考慮すると,被告の不法行為と相当因果関係のある損害としては,5万円と認めるのが相当である。
(2)慰謝料
本件各記事の投稿は,いずれも原告と被告との間の一連の紛争の一環として行われ,その内容も大半において共通しており,一連の行為として行われたものというべきであるから,慰謝料の額については,本件各記事を通じて,名誉毀損と名誉感情侵害とを全体的に見て判断するのが相当である。
そして,本件各記事は,いずれも不特定多数の者が閲覧可能なインターネット上に投稿されたものであること,被告は,被告ブログ,mixi上の日記,第三者のブログ上のコメント等の異なる発信手段を通じて,約6か月にわたり繰り返し本件各記事を投稿したこと,本件各記事は,原告が第三者を誹謗中傷し,被告に嫌がらせをしているなどの事実を摘示するものであって,原告の信用に影響を与える内容であること,その他本件に顕れた一切の事情を考慮すると,原告が被った精神的損害を慰謝するための金額は,50万円と認めるのが相当である。
(3)合計
以上の合計は,55万円となる。
4 争点4(過失相殺)について
被告は,原告は被告に対して「私を誹謗中傷してくれないかなあ。」などと挑発的なコメントをしており,それらが発端となって本件各記事が投稿されたのであるから,過失相殺をすべきであると主張する。
しかし,証拠(乙1)によれば,原告は,平成29年6月2日,原告ブログ1に上記文言を含むコメントを投稿したことが認められるものの,上記コメントは,被告が本件各記事を投稿するようになった同年10月8日より4か月以上も前に投稿されたものであるから,上記コメントが本件各記事の投稿の発端となったとまでは認め難い。また,原告ブログ1のその他の記事の内容をもってしても,原告が本件各記事の投稿を誘発したとまで認めることはできない。
したがって,被告の上記主張は,採用することができない。
5 争点5(謝罪広告の要否)について
本判決において,本件各記事の投稿が原告の名誉を毀損する違法なものであったことを認め、被告に対し損害賠償を命ずることにより,原告の被った損害が相当程度回復されると考えられることや,本件各記事が既に削除されていることなどを考慮すると,原告の名誉を回復するために,金銭による損害賠償に加えて,被告ブログに謝罪広告を掲載させる必要があるとまでは認められない。
6 結論
以上によれば,原告の請求は,被告に対し,55万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成30年5月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,その限度で認容すべきであり,その余は理由がないからこれを棄却すべきである。
よって,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第50部
裁判長裁判官 森田浩美 裁判官 高橋祐喜 裁判官 新井一太郎
別紙 謝罪広告目録
1 謝罪広告
(1)ブログ記事タイトル
「■■■■■■■■■■」
(2)ブログ記事
「P1氏に関する虚偽の記事により,同氏の名誉を毀損したことを深くお詫びいたします。」
2 掲載条件
(1)先日付を指定するなどの方法により,少なくとも6か月間,トップ記事とすること。
(2)アメンバー限定記事としないこと。
(3)文字色は黒色から変えないこと。背景色も変えないこと。
(4)文字ポイントは初期設定の数値とし,ポイントを小さくしないこと。
以上
別紙 投稿記事目録
別紙 調査費用目録
1 ミクシィに対する仮処分の費用(東京地方裁判所平成29年(ヨ)第3385号)
(1)印紙,切手代等 5680円
(2)電車賃等
968円(1往復)×8回=7744円
(3)時給換算額
ア 時間
(ア)書類作成
書類6通(合計25頁)×1頁当たり1時間=25時間
(イ)出頭
往復2時間×8回=16時間
(ウ)合計 41時間
イ 時給
平成29年の東京都の平均給与が40万7000円,平均労働時間が162時間であることから,時給に換算すると,約2500円となる。以下同じ。
ウ 時給換算額
時給2500円×41時間=10万2500円
(4)合計 11万5924円
2 サイバーエージェントに対する仮処分の費用(東京地方裁判所平成29年(ヨ)第3386号)
(1)印紙,切手代等 5680円
(2)電車賃等
968円(1往復。前記1(2)と重複しないもの)
(3)時給換算額
ア 時間
(ア)書類作成
書類5通(合計22頁)×1頁当たり1時間=22時間
(イ)出頭
往復2時間×1回=2時間
(ウ)合計 24時間
イ 時給換算額
時給2500円×34時間=6万円
(4)合計 6万6648円
3 ヤフーに対する仮処分の費用(東京地方裁判所平成29年(ヨ)第3444号)
(1)印紙,切手代等 5680円
(2)電車賃
968円(1往復)×6回=5808円
(3)時給換算額
ア 時間
(ア)書類作成
書類6通(合計23頁)×1頁当たり1時間=23時間
(イ)出頭
往復2時間×6回=12時間
(ウ)合計 35時間
イ 時給換算額
時給2500円×35時間=8万7500円
(4)合計 9万8988円
4 ソフトバンクに対する訴訟の費用(東京地方裁判所平成30年(ワ)第2471号)
(1)印紙,切手代等 1万4560円
(2)電車賃等
968円(1往復)×3回=2904円
(3)時給換算額
ア 時間
(ア)書類作成
書類3通(合計22頁)×1頁当たり1時間=22時間
(イ)出頭
往復2時間×3回=6時間
(ウ)合計 28時間
イ 時給換算額
時給2500円×28時間=7万円
(4)合計 8万7464円
5 共通費用 10万8000円
原告が平成29年11月13日に仮処分を申し立てた際,裁判所書記官から多くの注意を受けたため,翌日,弁護士からアドバイスを受け,その料金を支払った。
6 調査費用合計 47万7024円
以上